既に出版されている楽譜・・・「ピアノ弾き語り 小田和正 あの日 あの時」等と、先日発売されたピアノ弾き語り「小田和正 名曲全集Vol.1.2.3」との重複曲のアレンジの差異を検証しました。
両方とも、ピアノアレンジは青山しおりさんが担当されており、今回のために新規にアレンジされた曲の有無が注目ポイントです。
検証結果
僕の贈りもの:アルバム「BETWEEN THE WORLD & THE HEART」のバージョンです。
ラブストーリーは突然に:曲のアタマ、4分音符でのアーフタクト「#ファ」のオクターブがなぜか削除されています。それ以外は同一です。
Oh! Yeah!:Oh! Yeah! 8分音符でミレ・・・が8分、16分、16分でミドレと小田さんの歌い方に近づけるため「シャクリ」が入りました。
風と君を待つだけ:バックコーラスなし。アルバム「sometime somewhere」バージョンです。したがって「あの日 あの時」のニ長調(#が2つ)から変ホ長調(♭が3つ)でチョッと弾きにくいです。
my home town:アルバム「自己ベスト」バージョン。アコースティックギターをピアノ譜にされています。これならピアノよりギターで弾いた方がいいかも?
Yes-No:アルバム「LOOKING BACK 」バージョンです。スイング調なのでチョッと違和感があるかも?
生まれ来る子供たちのために:アルバム「自己ベスト2」のバージョンです。
次に、オフィシャル・ピアノ・スコア 小田和正に掲載されている「会いに行く」を比べてみました。これも青山さんのアレンジです。
会いに行く:オフィシャル・ピアノ・スコアの方は、弾き語りではなくピアノソロとしての楽譜なので、単純に比較できませんが、左手の動きが名曲全集では単純化されています。
次に新曲、「こんど、君と」はみんなのうた2021.4-5月号と比べてみました。
こんど、君と:「みんなのうた」のピアノアレンジは谷口尚久さんです。青山さんではないので当然アレンジが異なります。谷口さんのアレンジの方が両手ともに名曲全集に比べチョッと複雑な動きです。
まとめ
Vol.1、Vol.3ではアレンジ元のアルバムが異なる曲が収録されています。「僕の贈りもの」「風と君を待つだけ」「my home town」「Yes-No」「生まれ来る子供たちのために」が収録されているアルバムを個別に聴かれて、気に入られたら購入をご検討されるのもいいのではないでしょうか?
Vol.2の重複曲は全く同じアレンジなので、重複曲以外にお気に入りの曲が無ければ、慎重にご検討されるのがよろしいかと思われます。
要望
次回はライブバージョンの楽譜を出版していただきたいです。
「さよなら」などライブで小田さんが弾かれるそのままの楽譜であれば、ファンの方も大喜びされるでしょう。←耳コピーしたらええがな!
さいごに
昔なら、立ち読みして確認できましたが、ネット販売が主流になった今日、ある意味、中身も見ずに「えいやっ!」とバクチ的購入になっています。今回、そういった無謀な購入をされ、満足されたらまだしも、「あの日 あの時」とほとんど同じやがな!と即、メルカリ、ヤフオクに出品される「悲劇」を1人でも無くすために、今回の特集をいたしました。
以上、名曲全集のご購入を検討されている方に参考になれば幸いです。
蛇足その1
アルバム「sometime somewhere」は1992年1月25日に発売されました。
アルバム「あの日 あの時」は24年後の2016年4月20日発売です。
何が言いたいか?・・・と申しますと、24年の年を重ねても「風と君を待つだけ」の「調(キー)」を半音上げて歌われたことです。
誰でも、高齢になるにつれて高音が出にくくなるものです。
そのあたりが小田さんのスゴイところであると改めて実感しました。
蛇足その2
名曲全集Vol.2に掲載の「風と君を待つだけ」のピアノ譜はアルバム「sometime somewhere」バージョンですが、歌詞もその当時のそのままの内容で掲載されています。
ご存じのように、東日本大震災後、小田さんは歌詞を一部書き換えられました。
2番の・・・
風に吹かれて 波にのまれて
そのたび君に 助けられて
・・・を
風に吹かれて 雨にうたれて
そのたび君に 助けられて
せっかく小田さんが犠牲者、ご遺族の方をおもい、歌詞を変更されたにもかかわらず、変更せずに販売した出版社が悪い!というべきか、アルバム「sometime somewhere」から引用しているから、それはそれでええやん・・・と解釈すべきか・・・判断の分かれるところです。
Original content here is published under these license terms: | ||
License Type: | Read Only | |
Abstract: | You may read the original content in the context in which it is published (at this web address). No other copying or use is permitted without written agreement from the author. |